夜のピクニック という本を読んだ。
内容は歩行祭という行事を通して、主人公の西脇融と甲田貴子が今までお互い避け合ってきたことを解消するというものである。この小説は疲れた、疲れた、会話、を最初から最後まで繰り返す。疲れたフェーズでは毎回表現を変えながら登場人物たちが如何に疲れたかを長大かつ綿密に描写するのだが、これを抜いたら何ページ残るのだろうかと思った。主軸は上記の通りなので、疲れたフェーズは読み飛ばしても良いだろう。
会話の内容は引き算の優しさなど、10代の会話とは思えない。こんな高校生がいるだろうか。一方で他人のプライベートに、しかも決めつけで(その決めつけはことごとく当たっているけど)踏み込んでいくところはデリカシーのかけらもないと感じたし、友達だと思っていた相手が打ち明けてくれなかったことにショックを受ける様子にいびつさを感じた。それだけ達観しておきながら、人には誰にも踏み込まれたくない領域があることに気づけないのか。
主人公の友人たちと主人公たちはそういう誰にも踏み込まれたくない領域に踏み込んでいき、しかも超有能さを発揮して解決させることで登場人物全員が精神的に成長してハッピーエンドだ。こんな素晴らしい友人は存在するのだろうか。現実は事なかれ主義でそれ以上踏み込むのを止めるか、明かされた秘密は守られず、噂として広まって関係は悪化し、高校卒業以降は二度と会わないのではないだろうか。主人公の二人は自分の知らない間にあることないこと尾ひれがついた情報が飛び交う状況に置かれ、誰かに秘密を破られた失望から人間不信になるのだ。
歩行祭は安全面、健康面に問題がある。リタイアしたものはバスで回収するようだが、千人以上いる生徒の保護ができるとは思えない。行く先々にいる父兄や実行委員はワープしているのだろうか。雨が降り出したらどうなるのか。
400ページを超えており休みを過ぎるともう読めないだろうと思ったので一気に読んだ。これだけ速く読み終わるとは思っていなかったので、面白かったのだろう。
前回の読書でこの人誰だっけとなったことから今回は名前と情報をメモしながら読み進めたが、これは良かった。おかげである程度内容が追えたような気がする。
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